雪の日に祝福を…。

   


 自然と涙が零れた。
 胸が熱くなって、帰りたくなる。
 〝我が家〟に縁遠い身の上には強烈なインパクトだった。


「月依さん?帰ってるの?」


 玄関が開いており靴もあったので声を掛けながら入る。


「月依さん。今日は、完成のお祝いを・・・」


 作業場で立ち尽くしている彼女を後ろから抱きしめる。


「お帰り。」


「ただいま・・・。」


 回された手を握る。


「どう?力作だよ。」


「素敵・・・涙が出た。懐かしく感じたの。」


 答える彼女の首筋に唇を落とす。


「入賞出来るわ。」


「ありがとう。明日出しに行って来る。」


「そう、気を付けて。」


「うん。」


「テーマは、何?」


「いつかこんな家に住みたいんだ。」


 その一言に胸が高鳴った。


「私もこんな家に住んで家族で仲良く暮らしたいって思ってた。」


 完成の近い人が目の前に居た。


「本当に?やっぱり俺たち相性ぴったりだよ。」


 抱き上げられてキスを受ける。


「決めた。」


「何を?」


 唇を話し自分を見上げる彼の両頬を押される。