雪の日に祝福を…。

  


 周りを見渡すと個室のようだった。


「豪勢ね。」


 身体の不調が改善された所為もあって色々考える。


「付添人は居ないのかな。まぁ、居たら大騒ぎだから居ないほうが助かるけど・・・。」


「若狭さん、医師の安藤です。」


「お世話になります。」


「付添人の方から若狭さんの日常生活の訊き取りを行いました。お仕事が忙しく寝酒で寝ていたり眠れない日があったりストレスが溜まると食事をしなくなるなど気になるお話しが数多く訊かれました。本日と明日は、病院に検査入院して頂きます。」


「ちょっと待って下さい、先生。長年の習慣でたまたま頭痛が酷かったからって検査入院なんて。」


「いいですか。今は、若者にも脳の突発的病気が起こる時代なんです。こんなにストレスを感じやすい身体なんですからこの機会にじっくり検査を受けるべきですよ。」


「でも、仕事が・・・・・・」


「私が診断書を書きますから。」


「解りました。」


「良かった。帰られた付添人の方も安心されます。」


 医師は、満足げに出て行った。


「若狭さんこちらの書類にサインをどうぞ。」