青年の答えに驚いた


「そう。どうするの?」


「絵画を専門に研究してる教授が誘ってくれていたので訪ねてみます。」


「今度絵を見せて。」


「今度ね。」


 柄にもなく照れている青年が可愛らしかった。


 》 》


 夢なんてものに興味なんかなかったし見ている場合じゃなかった。

 そんな中で彼の抱く夢に私は、新たな輝きを見つけてしまった。


 《 《


「ねえ、あなた絵画を大学時代専攻していたって言ってたわよね。」


「はい。」


 自分を嫌煙している後輩に声を掛けた。


「新人ってコンクールに出すのよね。」


「はい。」


「どこでエントリーしたらいいのかしら?」


「今は、ネットに応募要項が載ってますよ。調べますか?」


「あら、調べてくれるの?」


「いいですよ。」


「悪いけど宜しく。」


 後輩に託して席に戻る。

 仕事に復帰したが誰も近寄らないのでとても過ごしやすかった。


「若狭、クライアントがお着きだぞ。」


「はい、すぐに行きます。」


 何も変わらない日常がホッとさせる。