「んー。お腹空いた。」
「じゃあ、食べましょう。」
中に戻り朝食をセッティングする。
スープのいい匂いが漂う。
「自分で作ったってことは、食べきれる?」
「大丈夫。最近食べてるから慣れたわ。」
「じゃあ、頂きます。」
なつくのがとても上手い青年の姿に慣れた。
婚約破棄で崩れた精神バランスが青年と居ると安心して眠れて食べれる。
「来週から職場に戻るの。」
「そっか、良かったね。」
「ありがとう。だからね、自分のマンションに戻ってもいいのよ。」
「追い出すの?」
「やあね、そうじゃなくって。凄く心強かったし助かったけどそろそろ〝自分の生活に戻っていい〟ってこと。」
捨て犬のような寂しい目をされて少し罪悪感。
「俺、マンション引き払っちゃった。」
「え!!訊いてない!」
「うん、言ってないから。」
サラリと爆弾を投下した。
「ちょっと、いつ?私の子守り頼まれたから?」
年上として訊き過ごせない事由が発生している。
「〝子守り〟って・・・・・・ここからの方がバイト先近いし。半月も空けるならって。」