「いっそ…病気に、なりたい。」
「月依ちゃん・・・・・・。」
「っ///!!」
思わず口に出た言葉に恥ずかしさを覚えて本を床に落としたまま部屋を走り去った。
》 》
知ってしまった。自分が一人だと。
両親の愛の一欠片を求めて文句も言わずに理想の娘として過ごしている自分のなんと惨めなことか……。
渇望しても手を伸ばしても初めから届くはずなんて無かったのに。
〝病気になってしまう〟と警告してくれたその時私は、もう病気だったのだろう。己でも気がつかないうちに空気でいることが当たり前になっていた。
家族の中に参加などする必要などどこにもなっかた。
しかし妹は、私を参加させたがった。
《 《
妹に呼ばれて病院に行くと医師看護師両親祖父母が病室に集まっていた。
「お姉ちゃん!遅いよ。」
「ごめん。生徒会で居残りがあったから。」
面倒くさそうに返すが妹は笑っていた。
「じゃあ、主役も来たし始めようか。」
「始めるって、何を?」
