「解ったから手を離して。痛いじゃない。」
「だめだめ。逃げる気でしょう?」
「(あったり前じゃない。気持ち悪すぎるってのよ!)
本当に痛いから握るならもっと優しくして。」
頑張って言い方を和らげる。
「それならっ!!」
「つっ!!」
紐で縛られた。
「これで握ってることにはならないよね。」
「ばっか、じゃないの!!紐でキツく縛ったって同じじゃない!!」
「煩いなあ。口閉じちゃおうか。」
もう一人が頷いてさすがと言うべきか用意のいいことでガムテープを取り出す。
「は、本気?よく考えなさいよ。」
「考えたよ。よく考えた結果がこれだよ。」
一目で解る狂気に満ちた笑み。
「離しなさい!!」
ようやくジタバタを始める。
「ちゃんと押さえろ!!」
「ちょっと、コンビニの前なんだから!!カメラッ!防犯カメラに映ってるわよ!!」
視線の先には、一部始終を見ていたであろうカメラがあった。
「チクショウ!!」
「ほら、解放してくれたら未遂なのよ。意味解るわね?」
戸惑う2人にたたみ掛ける。
