「ビール・・・・・・買って帰ろうかな。」
店を出てしばらく行くとコンビニがある。
「はあ~新しいお店探さないと・・・。」
最近尽(コトゴ)くマスターに嫌われている。
「お店なんだから構わずお酒出してくれたっていいのに。」
ぶつぶつ文句を言いながらコンビニの入り口に向かう。
「ん?」
目の前に大きな身体2つ。
「すみません、中に入りたいんでどいてくれます?」
大人的常識的行動を取る。
「いやいや、よけれないなあ。」
「お店の入り口ですよ、お兄さんたち。入らせて寒いんだから。」
「じゃあ、温めてあげようか?」
「は?
(何このキモさ。)」
思わず露骨に顔に出してしまった。
「そんなに嫌がんなくってもいいじゃん。」
「いいから、どいて。」
「おっと、捕まえた。」
伸ばした手を掴まれた。
「一緒にお酒でも飲もうよ。バーで飲み損ねたんでしょ?」
「なんで知って・・・」
「チャンスを待ってたんだよ。」
「チャンスって・・・・・・まさかずっと付けてたわけ?」
「正解。」
その気持ち悪い顔に背筋が凍る。
