「〝おばさん〟って、いくつですか?」
「燵夜くん。きみは、いい子だと思うけれど今の質問は、頂けないわ。」
立ち止まりデコピンを与える。
「痛っ!!」
「軽いジョークなんだから受け流さないといい大人の男には、なれないわよ。」
「・・・・・・?」
「解ったの?」
「年齢ネタは、ダメってことですね。解りました。」
「解れば宜しい。寒いから早く行くわよ。」
再び腕を掴んで歩き出す。
「(カタイのかと思ったら以外。)」
自分にしがみついている見下ろせる女性が可愛らしく思えた。
「あ、今日もやってた。」
しばらく歩くと嬉々とした声がして我に返ると赤い灯りが見える。
「月依さん、いま〝今日もやってた〟って言いました?」
「どうしの?」
「毎日やってるから誘ってくれたんじゃないんですか?」
「ゲンちゃんの屋台は、不定休だからねえ。行こう。」
グイグイと引っ張られてのれんをくぐる。
「ゲーンちゃん!!」
「月依ちゃん!!久しぶりだね。」
「うん。今日は、のれん下げてたのね。」
「おう。昨日からようやく出したんだ。」
