「何が?」


「あの子の結婚式をあなたがするなんて。」


「怖い?」


 心配して母親の顔になっているのでニヤリと笑いかけてやる。


「やっぱり何か・・・・・・」


「だったらどうする?大切な1人娘が結婚式で傷ついたら・・・・・・」


 試すように不適な笑みを向ける。


「このっ悪魔っ!!私を苦しめて楽しいのっ!!」


 母親が叫ぶのと同時に平手が飛んで来た。


「ふふ、なんにも・・・変わらないね。昔も今も。」


「どうして言うことを訊けないの!!」


 ヒステリックに叫び続ける。


「どうした。何を騒いでるんだ祝いの席で。」


 場を掻き回す父親がやって来ると容赦ない平手が頬を襲う。


「母さんをどうして大事にで出来ないんだ。」


 理不尽な台詞だ。


「どうして娘にしてくれないのよ。まずは、私に〝大丈夫か?〟でしょう?私の結婚式だったのよ!」


 初めてと言っていい口答えだった。


「仕方ないだろう。瑠々は、身体も弱いし妊娠もした。未婚の母親には出来ない。でもお前は、健康で仕事もあるこれから何でも出来るじゃないか。」


 とうとう親の本音を訊いてしまった。