雪の日に祝福を…。

  


「ごめん。でも逢いに来てくれて嬉しいよ。」


「そう。話しは終わりよね。」


「いいや、なんで病院に居るのかを訊くまでは帰らない。」


 隠し事をしていると直感的に思って引き下がらなかった。


「話すことないわ。」


「月依。」


「馴れ馴れしいって言ったでしょう!!」


「ごめん。何があった?」


「放して!」


 後ろから抱き締められて弱い気持ちが出て来そうだった。


「放して・・・悠葵。もう、あなたには助けてもらわなくっても大丈夫。」


「月依・・・・・・」


「今更・・・遅いのよ。」


「月依?」


「あなたに出来ることなんて何もないの。あなたは、無力よ。」


「そうだな。」


「今更私の傍に居れないでしょう?だから、自覚して。」


 腕の力が弱まったのでスルリと呆気なく抜ける。


「俺にはもう、何も出来ないのか?」


「いいえ、〝出来ないんじゃないの〟よ。〝やっちゃいけないの〟。解った?」


 突き放すしかない。


「月依。子どもには罪はないから…たまに逢ってやってくれ。」


 それだけ告げて背中を向けて歩き出す。


「っ・・・・・・。」