雪の日に祝福を…。

  


 小さく柔らかな子を静かに抱いた。


「・・・初めまして。」


 温かい体温に自然と涙が零れた。


「2人に私の代わりに付いててあげてね。」


 可愛い顔を涙で濡らしてしまう。


「可愛いね。あなたの人生が倖せでありますように。」


 静かに額にキスを送った。


「ありがとうございました。」


 ベッドにそっと可愛い子を戻して自分の病室に戻った。


「(瑠々似ね。可愛くていいけど。)」


 反芻しながら自分の部屋の階でエレベーターを降りた。


「月依!!」


 静かな廊下に思いもよらない人物の声が響く。

 声の主を瞬時に理解して黙った。


「月依、だろう?」


 伺うように訊かれる。振り向いてはいけない。


「堂々と逢いに来ればいいのに。それに、なんで病院着着てるんだ?」


 距離を歩みを進めて縮めようとする。


「月依・・・・・・急に居なくなったから瑠々が心配してた。
 月依。」


 優しくあの頃のように呼ばれ涙が溢れる。


「あなたのその無神経さが嫌なのよ。私の倖せを壊した子どもをあなたたち立ち合いで抱くなんて冗談じゃないわ。」