雪の日に祝福を…。

  


「若狭さん。元気に暮らしましょう。」


 事情を深く訊かない医師の配慮が嬉しかった。


「2週に1度は、通院するように。」


「はい。」


「今の体調は、どうかな?」


「引っ越しで忙しかったので少し疲れてます。」


「そう。じゃあ点滴して帰ろうかな。」


「解りました。」


 直ぐ奥に案内されて点滴をしてもらう。


「若狭さんいつまでも来て下さいね。」


「ありがとうございます。」


 優しい医師と看護師の姿にホッとして眠りに落ちた。

 すでに携帯電話も解約した為誰からの連絡が本当に無い。


「君の患者を受け入れたよ。悪化が著しくなったらそっちに送るから頼むぞ。」


「解っています。どうか、宜しくお願いします。」


「任せておけ。」


 電話を切った。


「さて、クセのあるお嬢さんだな。」


 カーテンを開けて寝顔を見る。


 》 》


 終わったがまた、始まる。
 私の世界が終わるまでまだまだ何が待っているだろう。


 《 《


「・・・すみません。すっかり眠ってしまいました。」


「平気だよ。」


「帰ります。」