「除籍が終わったからよ。これでもう生物学上でしか姉妹じゃなくなったと言うことよ。」
「・・・・・・。」
「嬉しいでしょう。もう2度と邪魔されないのよ。」
凍り付く表情に無情な言葉を浴びせる。
「家族3人で倖せになりなさい。私から奪ったと思うなら、きちんと倖せになりなさい。私は、邪魔しないから。」
そう告げて椅子から立ち上がる。
「さよなら、鈴村夫人。」
涙を流す妹に冷たく言い放ち病室を出る。
「お帰りですか?」
「お世話になります。」
「お気をつけて。」
ナースステーションで笑顔を向けて帰路に着く。
》 》
全てを断ち切るしかない。
未練など無い。ただ同情されたくないだけ…。
悲しいのは、私だ。
だから、哀れまれては・・・いけない。
《 《
「先生、お願いします。」
手術はせず緩和ケアを選んだ。
「これが信頼出来る緩和ケアが出来る地方病院です。」
主治医は、渋々リストを出した。
「ありがとうございます。海の近くに行きます。」
「若狭さん、私では嫌ですか?」
