雪の日に祝福を…。

  


 本にしおりを挟んで冷たく答えた。


「来て、くれたんだ。」


「あなたのだんなが煩いからよ。」


「お姉ちゃん・・・私、ちゃんと謝りたくて・・・・・・。」


 身体を起こすことが出来ないながら頭を下げて来た。


「あなたの自己満足に付き合えって言うの?」


 嫌味を返す。


「ごめんなさい。私が悠葵さんを誘惑しました。」


「私の物が欲しかったの?」


「家を出て世間の中で生きているお姉ちゃんが羨ましかった。私は、いつもお父さんとお母さんの目の手の届く所を歩くだけ。
 自分で世界を変えてみたかった。お姉ちゃんから奪おうなんて思ってなかった・・・のに・・・・・・。」


「出逢って、しまった・・・って?」


「一度で良かったの・・・。」


「でも、確信犯よ。デキルって解ってたわよね。」


 まどろっこしい言い訳をいつまでも訊く気は、無い。


「・・・はい。」


「なら、謝らないで。瑠々、今日は最後だから逢いに来たの。」


 真剣に伝えた。


「最後・・・?」


「もう2度と逢わない。連絡もしない。なぜか解るわね?」


 ハッキリと告げた。


「なぜ・・・?」