「もういいよ。紗希が覚えてようがいまいが関係ない。俺の職業何てどうでもいいだろ」 「関係ない……?」 ズキッと胸が痛んだ。関係ないなんてどうしてそういう言い方をするのか。私は暁の仕事を知る必要はないってこと? 暁の仕事のことなんて私には関係ないから? 「なんで……」 気が付けば、手元にあったクッションを立ち去ろうとした暁の背中に投げつけていた。 「何するの」 呆れたような声にさらに傷つく。 自然と涙で視界が曇った。