「生活費はどうしているの? 家賃は暁君が出しているとしても食費は折半?」
「食費?」
ん? と首を傾げてハッとする。
……そういえば、渡していない。
青ざめる私に、笹本が呆れる。
「お前、金渡していないのか? 相手は小説家の卵なんだろう? 金ないんじゃねーの?」
「だよね……」
すっかりそんなこと頭から抜けていた。私はお金を渡していないのだから、当然食費は暁が出している。
家賃に食費……。結構な金額だ。もしかしたら貯金を切り崩しているんじゃないだろうか。
「食費くらい渡していた方がいいんじゃね?」
「そうだね、そうする」
笹本の言葉に大きく頷いた。



