「まぁ、せいぜい気を付けて」
「はいはい」
適当に返事を返し、二杯目を頼むと黙ってやり取りを見ていた香苗が口を開いた。
「笹本は心配性だね」
「心配位するだろう。意外とこいつって鈍いから」
「まぁね」
「ふたりともひどい」
ムッと膨れると笹本はため息をつき、香苗は苦笑した。
「まぁでも、ご飯も作ってくれるし掃除もしてくれるし、だいぶ生活的には良くなったんじゃないの?」
「そうなの。暁って意外と器用で、料理も美味しいのよね。帰りにお弁当買う機会がなくなったもの」
暁の作るご飯は美味しい。栄養バランスもよくて、最近は体調が良いくらいだ。
いつでもあの子はお嫁に行けるわ、と頷く。



