「その幼馴染は、もしかしたらあわよくばって思っているかもしれねーだろ」
「何よ、あわよくばって」
「だから! もしかしたら襲われるかもしれないだろ」
襲われる……? 私が暁に?
暁のことを思い浮かべて、思わず吹き出してしまった。
「ないない! 暁が私を? まずないって」
「どうしてそう言い切れるんだよ?」
「だって弟のように育ったやつだよ? あっちだって私の事姉のようにしか感じていないって」
「そんなこと、わからないだろう」
いやいや、だからって、暁が私を襲うとか絶対になさそう。
子どものころからぼんやりした、あの暁が私を襲っているところとか想像つかない。
しかし、笹本は納得いかなそうな顔をしている。



