縁側で恋を始めましょう



「あ、暁こそ」
「俺?」
「彼女とかに私と住んでいることバレたら大変じゃない?」

彼女が乗り込んできて、修羅場になるのだけはごめんだ。

「いや、いないし」
「え?」

目を見開くと「なんだよ」と不機嫌に返された。
いやぁ、その顔でいないとか説得力にかけるんですけど……。
暁はルックスがとても良い。顔立ちも整って綺麗だし、背も高いしモデル体型だし……。
昔はよく、暁君に渡してとラブレターを預かったものだ。
そんなこともあってか、つい胡散臭そうに見てしまう。すると暁にため息をつかれた。

「去年別れました」
「へー、どうして?」
「……お金目当てだったから」

呟くような声に、あぁと同情的になる。

「あんた、お金なさそうだもんね……」
「……」

うんうんと肩を叩くと、呆れた様な目で見られたがすぐに「まぁいいか」と呟かれた。
何がいいのかさっぱりだが、暁はそれ以上深く話すつもりもないようだ。