もしも羽があったなら・・・




「あれ、お前ら、何してんだ?」


みんなでわいわい正門前で話していたら

突然、頭上から声が降ってきた。


「え・・・原先生!?」


「ん?おー、村上美羽か。

何だ、早速里帰りか?」


原先生は、私たちの3年間の担任の先生。


パッと見怖いけど、実はすごく優しい。


太一が入ってた野球部の顧問でもあったんだよね。


「こんなとこで話してないで中入れよ。

卒業生なんだから。

今日は夏日になるって天気予報でも言ってたぞ」


ほら、すごく優しい。


「え、良いの?」


「知ってる先生がほとんどなんだから

遠慮する必要もないって」


“ほらほら”と先生は私たちの背中を押す。


そういえば、先生は今日、何で学校に?


時間的に考えると、昼から部活とかかな。