いつも私とお兄ちゃんは太一に負けてたっけ。


やっぱり双子だからってのも

関係してたのかな。


でも、大きくなるにつれて

お兄ちゃんが太一を追い抜いた時は

嬉しくて嬉しくて大喜びしたっけな。


「太一、ご飯できてるよー」


一応ノックして太一の部屋に入る。


当たり前だけど、2か月前と変わってない。


男の子にしては綺麗に片づけられた部屋。


小さい頃はよくここで一緒に寝てた。


「太一、起きろー」


ベッドの上で気持ちよさそうに寝てる

太一の顔をのぞきこむようにしゃがむ。


「太一・・・」


「んー・・・」


もう一度名前を呼ぶと

声を漏らしながら目を開けた。