私だって分かった途端に
2人そろって私に飛び込んで来る。
「うるさいなぁ・・・」
太一のすぐ下の妹は
思春期真っ只中でちょっと難しいお年頃。
でも、昔から知ってる私には
全然怖いと感じられない。
「ごめんね、急に来ちゃったから」
「あ・・・別に美羽ちゃんのせいじゃないよ」
ほら、ちょっと恥ずかしそうに
ちゃんと答えてくれる。
「あれ、お兄ちゃんはまだ寝てるの?」
その下の妹、双葉ちゃんは私と一番気が合う。
実は今回の滞在中は
双葉ちゃんの部屋に泊めてもらう。
「あれ、今日も遅いねぇ。
美羽ちゃん、悪いけど起こして来てもらえる?」
「はーい」
双子を引きはがしながら
すっかり慣れてる佐久間家の廊下を歩く。
あ、この柱の傷。
小さい頃、太一とお兄ちゃんと
背比べした時のだ。



