もしも羽があったなら・・・




お父さんとおばさんが話してる間に

私と太一は車から降りて

私はおじさんに挨拶をする。


「おじさん、急に泊まることになったのに

受け入れてくれてありがとう」


「いやいや。

こっちこそ太一が急にそっちに行ったからね。

お互いさまだよ。ゆっくりしてってね」


おじさんはそう言うと

気まずそうに私の後ろにいた太一に目を向ける。


「ほら太一。

美羽ちゃんの荷物運んであげなさい」


何もかも許した時の優しい声。


私、おじさんのこの声好きだなぁ。


「はーい」


力が抜けた太一の声は緊張が解けた証拠。


太一、太一の家だって最高だよ。


言いたいことを言って

したいことをして

許してもらえる場所なんだから。