もしも羽があったなら・・・




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「美羽、おかえり」


玄関のドアを開けようとしたとき

後ろからお父さんの声がした。


びっくりして振り返ると

お父さんが満面の笑みで立っていた。


「お父さんも。・・・あ」


頭に太一の顔がちらついた。


「ちょっと外で話して良い?」


「ん?じゃあ公園行くか」


お父さんは何かを察して私を公園に

連れ出してくれる。


公園に着くまでの少しの時間

私は太一のことをどう説明しようか考える。


「・・・で、どうした?」


公園のベンチに座って

お父さんは優しい顔で私を促す。


私もお父さんの隣に座って

太一のことを切り出す覚悟を決める。