もしも羽があったなら・・・




「あ、いた!」


ガラッと音楽室のドアが勢いよく開いたと

思ったら、翼先輩が顔を出した。


まだ誰も来ないと思ってたのに。


「佐久間くん?って美羽ちゃんの知り合い?」


息を切らしてる先輩は一息でそう言った。


「佐久間って・・・太一?」


「あ、そう!太一って言ってた。

坊主頭で目がクリクリの・・・」


え、ちょっと待って。


「何で先輩が知ってるんですか?」


「生徒会の仕事で正門前掃除してたら

村上美羽の幼なじみですって来たんだよ」


先輩の息、少し落ち着いたみたい。


ってか、え!?


「美羽ちゃん、行こ!

先輩、その人まだ正門ですか?」


「え、うん。

大事になるといけないと思ってまだ誰にも・・・」


「先輩ナイス!」