もしも羽があったなら・・・




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お昼休み、やって来たのは

開放スペースではなく音楽室。


ここなら、中学生の給食が終わるまでは

誰も来ないから2人でゆっくり

ご飯を食べながら話せる。


「そういえば、幼なじみって男の子?女の子?」


今日の香苗ちゃんのお昼ご飯は

お母さんお手製のオムライス。


中はチキンライスらしくて、すごく美味しそう。


「あ、同い年の男の子なんだけど」


「ってことは・・・お兄さんとも」


「うん、いつも3人で仲良くしてた」


香苗ちゃんには全て話したから

もう何も気にせず話すことができる。


「で、何があったの?」


「会いたくなったって」


香苗ちゃんはじっと私の顔を見てる。


「それって、好きってこと?」


「それは言われてない。でも・・・」


「でも?」


これ、言って良いのかな。