「びっくりしたよ。
美羽ちゃん、挨拶することになってたんだね」
「うん・・・。
実は昨日も学校に来て、先生と一緒に考えたんだ」
教室に着く前に廊下で香苗ちゃんと会えて
さっきの編入生挨拶のことで少し盛り上がる。
人見知りのはずなんだけど、
不思議と香苗ちゃんとは普通に話すことができる。
「えー、そうだったんだ。
じゃあ、美羽ちゃんの方が1日先輩だね」
「違う違う!それは絶対ないよ。
だって、私最近こっちに引っ越してきたばかりだし」
「あ、そうだったんだ。
じゃあ、またこの辺案内してあげるね」
香苗ちゃんがそう言ったらちょうど教室に着いた。
4組の編入生は、私と香苗ちゃんと
あともう1人、佐藤くんっていう男の子。
さっき香苗ちゃんに教えてもらったんだけど、
佐藤くんは香苗ちゃんと同じ中学だったんだって。
「美羽ちゃん、私たち出席番号前後だよ。
ついでに席も前後」
先に座席表を見に行った香苗ちゃんが
嬉しそうに報告してくれた。
「え、ほんと?やったぁ!」
私も自分の目で確かめると、確かに
“三井香苗”と“村上美羽”は前後に並んでた。



