「美羽ちゃん、大丈夫?」


香苗ちゃんの言葉に、

ずっとスマホを見つめていた顔を上げた。


「すごい深刻な顔してるから・・・」


香苗ちゃんこそ、すごい心配そうな顔。


私、そんなにすごい顔してたんだ。


「幼なじみから連絡があってね、

何かあったのかもって心配で」


「そうだったんだ。

もし電話とかしたかったらしても大丈夫だよ」


香苗ちゃんってほんと優しいよね。


「ありがとう。

でも、今日はできないってしちゃった」


「今から取り消しても良いよ」


香苗ちゃんがそう言い終わると同時に

スマホの画面が光った。


『お泊りする友達できて良かったじゃん。

じゃあ、明日の夕方頼んで良い?』


『ありがとう。

あ、今日でも大丈夫だよ!

友達が良いよって言ってくれてる』


太一の文章、淡々としてるけど

友達ができて喜んでくれてるのは伝わる。


太一って私とお兄ちゃんのことになると

昔から自分のことのように喜んでくれたから。