「あらあら、わざわざありがとうね。
明日にでもみんなで食べましょうね」
佐藤くんの家でも感じたけど、
香苗ちゃんの家族もすごく温かい。
嘘じゃなくて本当に温かい人たちだって
感じることができる。
「いらっしゃい。香苗の友達?」
お風呂から出て来たらしい
香苗ちゃんのお父さんと思われる男性が
タオルで頭を拭きながら居間に入って来た。
「あ、はい。村上美羽です」
「あー、あなたが美羽ちゃんか。
香苗と仲良くしてくれてありがとう」
「そんな・・・仲良くしてもらってるのは
私の方なので」
なんか、心がじんわりしてきた。
私の方こそ本当に、香苗ちゃんが
話しかけてきてくれなかったら
今頃一人で部屋で過ごしてた。
「もー美羽ちゃん、何泣きそうになってるの。
次早苗がお風呂入るんでしょ?
私と美羽ちゃん部屋にいるから
上がったら教えてよね」