もしも羽があったなら・・・




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「香苗の友達、めっちゃ可愛い!」


香苗ちゃんの家に着いて居間に挨拶に入った途端

香苗ちゃんにそっくりな女の子にそう言われた。


多分だけど、1つ下って言ってた妹さん。


「あ、私、香苗の妹の早苗です。中3!」


右手の指を3本立てて元気に言った。


「あ、村上美羽です」


「うん、知ってる!

毎日のように香苗から聞いてるから。

あれでしょ、入学式で挨拶したんでしょ?」


ほんとに話してるんだ。


「ちょっと早苗!

美羽ちゃん困らせないでよね。

美羽ちゃんすごい人見知りなんだから」


「・・・はーい」


香苗ちゃんの言葉ですぐにしゅんとなる

早苗ちゃんはすごく可愛らしい。


あ、そうだ。


「あの、これ、お世話になるので・・・。

もし良かったらみなさんで食べてください」


今朝お母さんに渡されてたおせんべいの

詰め合わせを香苗ちゃんのお母さんに渡す。