もしも羽があったなら・・・




太一には後で連絡しよう。


そう思って、少し間が離れた2人に追いつく。


2人は兄弟トークで盛り上がってるけど

私の頭の中は太一のことでいっぱい。


太一、どうしたんだろう。


昔から、よほどのことがあった時しか

私やお兄ちゃんに連絡をしてこなかった。


しなくても大丈夫な距離だったこともあるけど

手紙じゃなくて電話ってことは、

そういうことだと思う。


「あ、すぐ電車あるよ」


駅に着いて、香苗ちゃんの言葉ではっとした。


そっか、岡田くんを見送らなきゃ。


次に会えるのは明後日からだから。


「うん、じゃあ、また学校でね」


岡田くんが改札の手前で手を振ってる。


「うん、バイバイ」


「気を付けて帰ってね」


香苗ちゃんと2人で手を振って見送り、

次は香苗ちゃんの家に向かうために駅を出る。