もしも羽があったなら・・・




外に出てすぐに香苗ちゃんが教えてくれた。


そんなものなのかな。


「俺は兄ちゃんの方が良いと思うけどな。

俺の姉ちゃんすっげぇ怖いし」


岡田くんが言った。


お姉さんって、今朝のサンドイッチ

作ってくれた人だよね。


イメージではすごく優しそうなんだけど。


「え、岡田くんってお姉さんいたんだ」


「うん。歳は10個離れてるから

今年はもう26歳になるんだけどね」


ほんと、佐藤くんと悠希くん並みに離れてる。


――ピロン


佐藤くんの家に着いてからマナーモードを

解除してたスマホが鳴った。


いつの間にか前を歩いてる香苗ちゃんと

岡田くんは気付いてないみたい。


歩きスマホは駄目だって分かってるけど

そっと画面を確認する。


『お兄ちゃんの友達の太一くんから電話がありました。

連絡が取りたいそうなので、番号伝えます。

080-xxxx-xxxx』


心臓、止まるかと思った。


まさかのお母さんからの連絡。


お兄ちゃん関連だから連絡くれたんだろうけど

太一は私とお兄ちゃん2人の幼なじみ。


お兄ちゃんだけの友達じゃないよ。