「ほんっと、ごめん!」
私と岡田くんに向かって深く頭を下げる佐藤くん。
香苗ちゃんと2人で走って来てくれたらしく
2人とも額に汗をにじませている。
「ううん、大丈夫だよ。
お邪魔させてもらうのはこっちだし、
岡田くんと一緒に駅で待ってたから」
“ね?”と岡田くんを見ると
少し気まずそうに頷いた。
そりゃそうか。
お兄ちゃんが死んでるって話を最後に
電車が来る時間になって
無言でここまで来たんだから。
「んー・・・でもごめん!」
一度顔を上げたけど、もう一度深く頭を下げた。
本当に大丈夫なんだけどな。
「和希、美羽ちゃん困ってるから。
ほら、早く行って勉強しよう?」
「うん・・・」
香苗ちゃんに促されて4人で歩き出したけど
佐藤くん、すっかり落ち込んじゃってる。
落ち込んでるといえば岡田くんもだけど。