「美羽ちゃん、あれから翼先輩とはどう?」
雑貨屋さんに入った時だった。
男子2人がトイレに行ったタイミングで
香苗ちゃんが私に話しかけてきた。
「あ、えっと・・・」
多分、和解できてるってことは分かってると思う。
だけど、私は詳しく話してないから
先輩に告白されたってことや
お兄ちゃんの名前のことは話してない。
「あ、ここでは言いにくい?」
香苗ちゃんが周りを見て言った。
佐藤くんと岡田くんがいつ戻るか分からないし
誰にきかれてもおかしくない状況。
確かに、ここでは話しづらい。
「うん、ちょっと・・・」
「おっけー。
じゃあさ、今度4人で勉強するでしょ?
その日、そのままうち泊まらない?」
「え、良いの?」
香苗ちゃんはにっこり笑って大きく頷いた。
友達の家にお泊りなんて初めて。
お父さんがいたら説得も簡単だし
今日帰ったら早速きいてみよう。



