中に入ると、既に何人かの編入生が待っていた。


編入生は全部で10人って聞いたから

まだこれから何人か来るんだ。


確か、席も決められてるんだよね。


えっと、村上、村上・・・あった。


ラッキーなことに、端っこの席だった。


左側には誰も来ないし

右側に座っているのは女の子。


男の子よりは緊張しなくて済むから本当に良かった。


「あ、おはよう」


本を読んでいた右側の子が

私が座り終えると顔を上げて私を見た。


眼鏡をかけていて肩までの髪は2つ結び。


なんていうか、一言で言うと“清楚”って感じの子。


「おはよう。あの・・・村上美羽です。

これからよろしくお願いします」


人見知りだけど、“挨拶はしっかりしなさい”

っていう母の昔の言葉を思い出して頑張った。


「こちらこそよろしくね。4組の三井香苗です」


「あ・・・じゃあ同じクラスなんだ」


「うん、そうみたい」


穏やかにほほ笑む三井さんを見て

私は緊張がほぐれていくのを感じた。


良かった、悪いことばかりじゃないみたい。