目の前で先輩が喋ってる。


顔を上げて、私の目を見て喋ってくれてる。


「話があるって言ったでしょ?」


「はい」


何か、ちょっと緊張してきたかも。


どんな話なのか見当がつかないから。


「俺、美羽ちゃんのことが好きなんだ」


「え・・・」


「あ・・・急にごめんね。

実は俺と美羽ちゃんが最初に会ったのは

東の編入試験の日だったんだ」


え、なんか、いろいろびっくり。


だって、好きとか初対面は入試の日とか・・・。


「混乱させてるよね、ごめん。

でも、話させて」


先輩は真剣な顔をして再び話し始める。


「俺、1年の時から生徒会役員やってて

だから、4年の時も生徒会役員として

編入試験の受験生誘導係になってたんだ」


そういえば、東校の制服着た人が

入試会場まで案内してくれたっけ。


「美羽ちゃん、正門までお父さんと来たでしょ?

俺、正門で待機してたから美羽ちゃんとお父さんを見たんだ」


先輩はそこまで話すと大きく息を吐いた。