――ピロン
宿泊研修が終わってベッドに横になっていた時
机の上に置いたスマホが鳴った。
思ったより疲れてない体を起こして
スマホを見ると“山本翼”の文字。
先輩からメッセージが届いてる。
すぐに開いて確認する。
『宿泊研修お疲れさま!
ごめん、明日まで待てなくて連絡した。
家の都合とか大丈夫だったら会えない?』
時刻は18時半。
多分、部活が終わってこっちの駅に着いてくれた連絡。
時間的には外に出ても何も言われないはず。
『ありがとうございます!
大丈夫です。どこに行ったら良いですか?』
やっぱり、先輩とやり取りをしていると安心感がある。
それは多分、先輩がお兄ちゃんと似てるから。
『良かった。
美羽ちゃんの家の近くまで行くよ。
ぞうさん公園って分かる?』
そっか、帰り一緒になってたから
私の家も知ってるんだよね。
ちょうど、先輩の家と同じ方向らしいから。
『はい、分かります!』
『じゃあ、そこのベンチで待ってる』
制服のままだからスカートがしわになってないかだけ
確認して、スマホをポケットに入れて部屋を出る。