「小6までは普通に和希って名前で呼んでたんだけど
中学に上がってから急に恥ずかしくなっちゃって、
お互い名字で呼ぶようになったんだ」
「そうだったんだ」
2人の仲の良さは、幼なじみだからだったんだ。
中学からの同級生にしては
すごく仲良しだなぁって思ってたんだよね。
「赤ちゃんの頃からずっと一緒だから
正直、そういう対象には見たことなかった」
ちょっと違うけど、香苗ちゃんにとっては
私とお兄ちゃんみたいな感じに近いのかな。
「でも・・・断れなかった。
まだ、はいとも言ってないんだけど
考えさせてって言って逃げちゃった」
そこまで言って初めて顔を上げた香苗ちゃん。
香苗ちゃんの顔、まっかっか。
照明のせいじゃないよね、絶対。
「でも・・・嬉しかった」
そう言ってほほ笑む香苗ちゃんの顔はすごく優しい。



