香苗ちゃんから“了解!”という

パンダのスタンプが送られて来たのを確認して

私は翼先輩の電話番号をタップする。


迷うことなく“電話をかける”を選び

ドキドキする胸を右手で押さえながら

呼び出し音を聴く。


「はい」


電話できくと、いつもと違う印象だ。


「もしもし、あの・・・」


「え、美羽ちゃん?」


私の胸は飛び跳ねた。


だって私、まだ名前言ってない。


「あ、はい・・・。突然すみません。

香苗ちゃんに教えてもらって・・・」


「いや、それは大丈夫だけど・・・。

どうしたの?」


“どうしたの?”か。


改めてきかれると困るな。


「あの・・・明日から宿泊研修で3日間学校行かないんです」


「うん、知ってるよ。

一応、生徒会副会長だからね」


あ、そうだよね。


私、何言ってるんだろ。