「あ、美羽ちゃん!」
一番遅い私が食べ終わり“そろそろ教室戻る?”
って感じになっていた時だった。
通りかかった5年生の集団の中から1人抜け出して
私の名前を呼びながら近づいて来た。
顔を見ると・・・ううん。
顔を見なくてもすぐに先輩だって分かった。
「やっほ。今お昼食べ終わったの?」
「あ、はい・・・」
朝もそうだったんだけど、先輩の圧はすごい。
先輩が悪い人じゃないってことは分かってるけど
どうしても慣れてない私には厳しいものがある。
「今からね、
1年生のとこに部活の紹介しに行くところなんだ。
あ、美羽ちゃんって何か部活入る?」
何てホットなタイミング。
目をキラキラさせている先輩に
香苗ちゃんと佐藤くんと岡田くんも
笑いをこらえきれてない様子。
「え、何々?」
「あ・・・さっきちょうどその話してて」
「え、そうなの?」
「はい。でも、私、まだ・・・
部活できるかどうか分からないので」
勇気を出した。
だって、先輩の目、本当にキラキラしてるから。
「そっか。うん、そうだよね。
じゃあさ、もし興味があったらなんだけど
俺、吹奏楽部にいるからいつでも見学に来てね」