太一の所から帰って来て2か月が経った。


お母さんとの関係は相変わらずで

やっぱり私は必要のない人間なんじゃないか

って思うこともある。


だけど、私の中で徐々に変化しているものもある。


「みゅー、どうだった?」


中間テストの後の席替えで席が離れた

香苗が私の前の席に座った。


そこ、佐藤くんの席だよ。


彼氏だから大丈夫かな。


「追い出されはしない点数」


右手の親指と人差し指で、今返却されたばかりの

数Ⅰの答案用紙をつまんで香苗に見せる。


そういえば、中間テストはこんな風に

見せあうなんてことできなかった。


部活の同学年の子たちの間での呼び名を決めて

私は“みゅー”、香苗ちゃんは普通だけど

“香苗”になってから、更に距離が縮んだ感じがする。