知らなかった。
知らなかったとはいえ、私ばかり太一のことで
大騒ぎして悪いことしちゃったかも。
「遥は知ってた?」
勉強に飽きてペン回しをしている遥にきく。
「知ってたよ。
美羽が太一を好きなことも
聡子が翼を好きなことも知ってたよ」
知らなかったのは、私だけ。
どうして私ってこうも鈍感なのかな。
「でも、美羽はそのままで良いと思う。
遥も聡子も太一も隼人も翼も、
そのままの美羽が好きなんだから。ね?」
私をなだめるように言った遥は
私の気持ちに気付いてるんだと思う。
「美羽、ケータイ光ってる」
聡子に言われてスマホを見ると
1件のメッセージが入ってる。
太一だったら良いけど・・・。