もしも羽があったなら・・・




―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


「おばさん、ごめんね」


「何言ってんの。

どうせ、太一が何か言ったんでしょ?」


聡子の家の前で太一のおばさんに電話中。


太一を放って図書館を出たことと

今日は聡子の家に泊まることを伝えた。


「あ、荷物、双葉に届けさせるから。

聡子ちゃんと遥ちゃんにも久しぶりに

会ったんだから、楽しみなさいね」


おばさん、何でそんなに優しいの。


おばさんの優しさに胸が温かくなって

涙が出そうになる。


「ありがとう、おばさん」


「いえいえ。

またいつでも帰っておいでね」


「うん」


おばさんは“それじゃあね”って話を終わらせて

受話器を置く前に“ちょっと双葉”って

双葉ちゃんのことを呼んでいる。


私も、おばさんの家に生まれたかった。