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“最悪”とか“無理”とか言いながらも
目の前の太一はちゃんと勉強してる。
ノートを見るために下を向いてるから
坊主頭がすぐそこにある。
太一の頭って昔から坊主だったっけ。
散髪したばかりの頭だと特に触りたくなるんだよね。
「何?」
じっと見ていたのがばれたのか
太一が突然顔を上げて私を見る。
当然、私の心臓はびくっと跳ね上がる。
「え、いや、別に・・・」
「美羽ってさ」
「ん?」
急に真剣な顔をした。
太一のこの顔、昨日も見た。
「高校で彼氏できた?」
「は!?」
「美羽、しーっ!」
太一に言われてハッとなった。
私、思わず立ち上がってたんだ。



