「あれ、お兄ちゃんは?」
お昼、おばさんがゆでてくれたお蕎麦を
食べていると外から帰ってきた双葉ちゃんが言った。
「隼人くんと!」
「お昼食べるんだって!」
私が答える前に仲良く双子が答えてくれた。
「あ、そうなんだ。
お母さん、私の分もある?」
「ハイハイ。
今出すから座ってなさい」
おばさんは忙しそうに、でも優しく答えて
双葉ちゃんの分のお盆を用意してる。
何だか、ここにいると帰りたくなくなる。
ずっとここにいたい。
明日の夜にはお父さんが迎えに来るのに。
――ピロン
食べ終わって双葉ちゃんの部屋に戻ろうと
階段を上がっていたらケータイが鳴った。