もしも羽があったなら・・・




「美羽」


原先生が出してくれたお茶を飲んでいると

さっきまで太一じゃない方の男子、隼人と

喋ってた遥が私に話しかけてきた。


そういえば、遥とはまだ一言も言葉を交わしてない。


「ちょっと、良い?」


何でだろう。


遥、何となく私が知ってる遥と雰囲気が違う。


「うん、良いよ」


でも、私には断る理由がない。


私は迷わず遥に着いて職員室を出る。


聡子は太一と隼人と楽しそうに話してるから

多分大丈夫。


遥が向かうのは、多分中庭。


職員室前の窓から中庭はよく見えるし、

私たちがいなくなってもすぐ見つけられる。


「急にごめんね」


思った通り、中庭にやって来た。


申し訳なさそうな顔をして謝る遥。


久しぶりに会ったのにそんな顔をする理由

何でか分からないけど、何となく分かる。