「ごめんね。
本当は明日からで良いのに、今日から来てもらっちゃって」
目の前で謝ってるのは、明日から私の担任になる先生。
私、村上美羽は明日からこの東校に通うことになってる。
他の生徒より1日早く登校したのには、ちゃんと理由がある。
東校は中高一貫校で、私は高校から編入生として入学する。
入学式では新入生(1年生)挨拶と編入生(4年生)挨拶の両方があるらしく、
私は編入生挨拶をすることになってる。
「いえ・・・よろしくお願いします」
人見知りの私は、きっと普通よりは小さいだろう声で言った。
明日の挨拶、いくらマイクを通すとはいえ、大丈夫なのかな。
「これ、参考に去年の分持って来たんだけど
一度目を通してみる?」
「ありがとうございます」
登校日前日の職員室はとても静か。
聞こえるのは、出勤している数人の先生が
パソコンのキーボードを打つ音と私たちの声くらい。
この状況、余計に緊張してしまう。