桜ときみと

歳三side

怜を拾ったのは、気まぐれだった。

珍しくもない、捨て子の一人だと思った。

でも、その瞳は誰よりも輝いていて、誰よりもずっと諦めた目をしていた。

人形のような美しい顔。

子供のくせに大人よりよっぽど賢い頭。

そのまとう雰囲気。

それで俺は拾うことにした。

向きあってみてわかった。

生に執着せず、諦めた目

笑わせたかった。

だから、総司に会わせた。

同じように諦めた目をしていたあいつに。

変えてくれるかもと、そう思ったから。