兄さまに仕えて、しばらく過ぎた。

八木邸のご主人は気の良い方で、優しくしてくれた。

?「おい、そこの坊主誰じゃ、何をしておる。」

彰「はい、副長の小姓の土方彰良と申します。副長にお茶を運んでいるところです。」

?「土方の小姓か。あやつの弟か?」

彰「はい、あなたは、何方ですか?」

?「おお、わしは筆頭局長の芹沢鴨という。」

彰「お世話になります。局長」

鴨「うむ。」

彰「それでは、失礼します。」

あれが、芹沢鴨か、人の良さそうなぶきっちょさんってとこかな。

まあ、兄さまの敵ではなさそうだな。

『綾野』である以上、仕事をしなければならない。

夜にでもするかな。


〜夜〜

さて、仕事の時間だ。

今日の獲物は、長州か。尊皇攘夷といっても、天皇に政治ができると思っているのか。

『綾野』である私を味方につけれていない時点で分かりそうなものだがな。

ザシュッ

呆気ないな。人間なんて、弱くて脆い。