「……しずく……。



オレたち、別れよ……」




その時の君の切なそうな瞳を……

私は未だに忘れられない。





「……ごめんな」

何も言えない私に、君はただ一言そう呟いて去って行った。



何分経ったか分からない。

ひょっとしたら、何時間も経っていたかもしれない。




――ザァッ……


いつの間にか大降りになっていた雨の中、私は一人立ち尽くしていた。


君が見えなくなってもずっと、

ずっと――……。






その時、頬を伝った雫の正体は、雨なのだろうか?

それとも、自然と溢れ出した涙なのだろうか……?



それはもう、分からないけれど。



ただ一つ確かなのは、


苦く、冷たい。



それだけ――……。